トルコの経済動向

トルコは、世界金融危機の影響を受け、経済は08年下期以降大きな減速しています。2009年度は7年振りに鉱工業生産指数が3ヶ月連続減を記録するなど、輸出の大幅な減少、解雇の悪化、個人消費者態度指数が低下するなどの動きに影響がみられました。この背景の先には、2001年以来の経済マイナス成長となりそうです。2008年5月にIMFとのスタンドバイ協定は、完了してますが、世界的な金融危機の影響を受けたことにより、融資交渉が持たれ、2009年1月にはIMFミッションが訪問し、政府は協定合意に向けて、2009年度予算に関して、財政赤字を26.2%圧縮。緊縮姿勢を示しました。また、トルコの景気が下降していることが懸念がされ深刻になっています。11月以降相次いで利下げを行い、政策金利を2009年5月に9.25%と、史上初となる1ケタまで引き下げました。ただ、これまでの経済改革プログラムの推進効果からは、トルコ経済は安定化の傾向を保っており、2010年度から回復してくるとの見方の強まっています。そうなると、GDPは4%程度成長に向かうことが予想されます。

産業

トルコの産業は、工業・商業・農業とからなり、国民の40%が伝統的な農業をしています。工業・商業が近代化が進んでいますが、もっぱら軽工業が中心となり、繊維・衣類の分野では輸出大国とされています。しかし近年では、ヨーロッパ向け自動車輸出が有力な外貨獲得源になっています。世界の大手自動車メーカーと国内の大手財閥との合弁事業を柱に重工業の開発が進んでいます。各産業の主な地域は、北西部のマルマラ海岸で工業が進んでいて、観光収入の多い地中海のエーゲ海岸地域、首都アンカラやイスタンブルなどの大都市圏以外では、経済に占める農業の比重が大きいです。東部では、経済の遅れをとり、農村部の貧困や地域間の経済格差が大きな問題となっておりますが、政府の開発推進政策を試みても数十年にわたり解消されないままです。

インフレ

1990年代の後半からは経済は低調していて、政府は巨額な債務を抱え、国民は急速なインフレに悩まされています。歴代の政権はインフレの自主的な抑制に失敗したことにより、2000年から為替相場の安定のために、国際収支が悪化した国への融資や、為替相場と各国の為替政策の監視などを行う、IMFの改革プログラムを受けることになりますが、同年末に金融危機を起こしました。その結果、トルコリラの下落から国内消費が急激に落ち込み、2001年にリラの変動相場制移行をおこないましたが、リラの対ドル価が50%以上に暴落、実質GNP成長率は-9.4%になりました。2002年に、成立した公正発展党単独安定政権のもとで、インフレ拡大が沈静化し、GNP成長率は5%以上に回復、2005年には、100万トルコリラを1新トルコリラとする新通貨を発行し、デノミが行われました。

失業問題

トルコにおける失業率は、多少の変動はあるものの、だいだい10%強の水準で高とまりしています。この背景には、好調を維持している経済にも関わらず、急激な人口増加により高い水準の失業率が発生しています。毎年120万人に上る出生者のトルコは、経済がどんなに好調であっても膨大な数の新卒者を吸収することができていない現状です。解決が見込めない問題として、トルコにおいて重大な社会問題となっています。このような事態は過去に事例がなく、新卒者の吸収ができないということは、高学歴の失業問題が挙げられます。トルコでは、一定の学歴があるものは企業において中間管理職・上級管理職の地位が卒業後すぐにあたえられるという社会システムでしたが、中所得階層の雇用所得の上昇が高卒者・大卒者の増加によって、崩壊してきています。